いま飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を集めているAV女優がいる。2015年6月、国民的アイドルグループの名古屋支部からアダルト業界に異例の転身をした三上悠亜(27)だ。三上は「Princess Peach」(MUTEKI)でAV女優としてデビュー後、一気にブレイク。「DMM.R18アダルトアワード」「スカパー!アダルト放送大賞」「このAV女優がすごい!」などの各賞を総なめにしてきた。さらに三上はAVだけでなく、K-POPアイドルグループ「HONEY POPCORN」でセンターを務めたり、アパレルブランド「miyour’s」をプロデ'ースするなどその活動は多岐にわたっている。男性ばかりでなく、女性からの支持も高く、TwitterやInstagramなどSNSのフォロワーは計500万人を超えた。
そんな三上が「文春オンライン」特集班の独占インタビューに答えた。AV女優としての心境の変化から、自身の恋愛・結婚、元アイドルとしての追想まで。AV女優としては“センター”を掴んだともいえる三上が語る“現在地”とは――。
(全3回のインタビューのうちの第1回)
©文藝春秋
◆◆◆
世間の見方が変わったのかな
――2015年にデビューしてから5年半が経ちました。この間大きく変化したことはありますか?
「明確に変わったのは、デビュー時から比べて女の子のファンが大幅に増えたことです。私が入った頃は本当に女の子のファンが非常に少ない業界だったので、世間の見方が少しだけでも変わったのかなって思います。
今年に入って、アパレルブランドをリニューアルしたりだとか、女性誌の連載を頂いたりだとか、あとは、女性用のドレスのモデルや下着のモデルをやらせて頂いたりだとか。女性を相手にした仕事も増えました。AVの撮影の仕事は月に2日あるんですが、その2日間以外は服を着た仕事をしています。脱ぐことが本当に減りましたね」
女の子とAVは、絶対に交わることがないと思われていた
――デビュー当時からそうしたいと思っていたんですか?
「もともとアダルト業界全体を変えていきたいという大きい夢を持ってたわけじゃないんです。でも、確かに女の子に認めてもらいたいとか、支持されたいっていうのは、目標にしていた部分があります。当時、女の子とAVは、絶対に交わることがないと思われていたので、そこを突破したいという気持ちはありましたね。
デビューした時にはもう女性にも見てもらいたいなっていう気持ちを持っていました。そこで、女の子でも親しんでもらえるようにInstagramを中心に、自分の好きなお洋服とかコスメとか、普段使ってるものを載せるようにしました。AV女優さんが自分の私生活を紹介してるのってあんまり見なかったので。そうしたら、ファッションやメイクを真似したいっていう女の子が徐々に増えてきたんです。私の女性ファン層は20代が多いんですが、今は高校生や大学生のファンもちらほら見かけます。だからInstagramはあまり過激にならないように気をつけてます」
SNSの投稿は最優先事項で大事にしています
――三上さんのSNSのフォロワーはTwitterやInstagramなどあわせて500万人を超えました。ファンを獲得するために意図的に実践していることはありますか?
「えー! 全然ないですね。気づいたら増えてた(笑)。もちろんフォロワーさんを増やしたいって気持ちはあったんですけど、今は見てくださってる方に楽しんでいただけたらいいなという感じなので。
でも昔も今も、SNSの投稿は最優先事項で大事にしています。Twitterは主に情報発信のために重宝してます。告知ツイートとかめちゃくちゃ考えますね。文章の内容や意味が明快かどうかも考えるし、何時に投稿するのがいいかとか考えます。私のファンの場合は、一番見てくれるコアタイムは午後8時ぐらいだから、その時間に投稿しようとか。告知ツイートを考えてるときはマネジャーさんの話とか全然耳に入らないです。
それから、写真は絶対にあった方がいいですね。男性ファンだとエロ目的で見にきてる人もたくさんいるので、胸の谷間が見えてる写真のインパクトでひきつけて、ついでに告知の文章も見てもらえたらいいな、とか。写真は1つの投稿につき100枚くらいは撮影します。そのなかで使うのは1、2枚なので、私のiPhoneのカメラロールは自分の写真ばっかりで気持ち悪いんですよ(笑)」
女性ファンがAVを買ってくれるようになった
――2020年10月には自身のブランドをリニューアルしました。プレオープン後わずか10分で1500万円を売り上げたと。女性のファッションアイコンとしても認知されつつありますが、女性ファンはやっぱり三上さんのファッションに興味があって増えているのでしょうか。
「確かに、最初はアパレルやSNSから好きになってくれる女の子のファンは多いんですが、嬉しいことに彼女たちは私のAV作品も見てくれてるみたいなんですよ。『勇気が出なくて今まで買えなかったんですけど、どの作品が女性にもおすすめですか?』ってメッセージが結構来るんです。それで、私のお勧めを伝えたあと、『見ました!』『すごい世界でした!』って感想も送られてくる(笑)。それはすごく嬉しいですね。女性ファンの方は、AVや写真集を、私への支援の一環だと思って買ってくれる方が多い印象です。
女性ファンから「性の相談」を受けることも
あと面白かったのは、彼女たちはAVを性欲を満たすために見ているのではなく、イメージビデオみたいに見ているんですよ。エロさが重要なんじゃなくて、画面に映る女優の顔とか身体を見ているらしい。行為中のメイクとか、表情とか、細かいところを参考にして、彼氏との行為に活かしてくれているそうです」
――それを聞いてどう思いましたか。
「超焦りました(笑)。全然そんなふうに見てもらえてるとは思っていなかったので。そういう需要に応えようとすると、撮られ方も変えなきゃいけないのかなと思うこともあるんですが、毎回撮影の時は夢中で忘れちゃいますね(笑)。ただ、私の出演するAV自体は基本男性向けで、男性によく見られたいものだと思っているので、そこは変わらずに意識してつくっていますね」
――ファンから性の相談を受けることはあるんでしょうか。
「あります。カップルで私を応援してくれてるファンもいるんですけど、その彼氏の方から、『彼女に浮気されました』って相談がきたことがありますね。『浮気されてもう立ち直れません。どうしたらいいですか』『彼女を問いただしたら、何が悪いの? と逆切れされました』とか、ありましたね。
あとは似た業界で、風俗とかのお仕事をされている方から接客の相談とかもらうこともあります。私は専門外なので全然良いアドバイスができないんですけど、みんな相談してきてくれる」
男子の記憶って、美化されるんだなって
――女性がSNSを利用していると、昔付き合っていた男性からダイレクトメッセージ(DM)が来るという話をよく聞きます。
「確かにきました! 5、6年前に付き合ってた人から急に連絡がきたりとか。多分下心があっての連絡なんだと思いますが、絶対にそういうエロい雰囲気にはしたくないですね(笑)。
元カレのひとりがキャバクラでいろいろ私の話をしているという噂を聞いたことがあります。『三上悠亜はすごくいい子だった』って絶賛してるらしいから、まあいっかと思いましたけど(笑)。その男性に対して、私の記憶では全然いい子だったつもりはないので、男子の記憶って、美化されるんだなって思いました」
――ほかにファンからはどんなメッセージが届きますか。
「応援のメッセージも多くて、ありがたいんですけど、後は『エッチしよう!』とか『高校生です。筆おろししてください』っていうDMが来たりもしますね。本気ですか? と思いますけど(笑)」
年上男性たちの行為はもっとねっとりしてる
――若者の性に対する関心が薄れているという報道がよくありますが、三上さんの周りはそんなこと全然なさそうですね。
「はい。というか、薄れてるんですか、性への関心? 私のDMにはそういう内容のものが、たくさん来ているので、世間の変化に全く気づかなかったです」
――三上さんが感じる最近の若い男性と、年上男性の違いはなんですか。
「若い方のほうが行為が淡白かもしれないです。自分のやりたいことを全部試す、というよりはマニュアル通りのことをとりあえずサラッとなぞるみたいな。『こんなもんでしょ』みたいな。年上男性たちの行為はもっとねっとりしてる気がします。昭和な感じというか。『オレはこれがしたいんだ!』という欲が伝わってきて、可愛いなって思いますね(笑)。
若い男の子たちは、人にどう見られるかを気にしすぎなんじゃないでしょうか。嫌われたくないとか、こう思われたくないみたいな、そういう気持ちが行為の仕方に表われてるのかもしれない。これは勝手な偏見かもしれませんが、多分そういう人たちって、AVを見た事ない人が多い気がする。性欲はあって困るものではないですし。若い方、もっと堂々とAVを見てください!」
(#2につづく)
撮影=山元茂樹/文藝春秋
「トイレで迫られる女性側のホンネ」トップAV女優・三上悠亜が告白する結婚願望と身バレの恐怖 へ続く
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「私が芸能界で不祥事を起こしてAVデビューした理由」天下を獲ったAV女優・三上悠亜が激動の5年を赤裸々告白
いま飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を集めているAV女優がいる。2015年6月、国民的アイドルグループの名古屋支部からアダルト業界に異例の転身をした三上悠亜(27)だ。三上は「Princess Peach」(MUTEKI)でAV女優としてデビュー後、一気にブレイク。「DMM.R18アダルトアワード」「スカパー!アダルト放送大賞」「このAV女優がすごい!」などの各賞を総なめにしてきた。さらに三上はAVだけでなく、K-POPアイドルグループ「HONEY POPCORN」でセンターを務めたり、アパレルブランド「miyour's」をプロデュースするなどその活動は多岐にわたっている。男性ばかりでなく、女性からの支持も高く、TwitterやInstagramなどSNSのフォロワーは計500万人を超えた。
そんな三上が「文春オンライン」特集班の独占インタビューに答えた。AV女優としての心境の変化から、自身の恋愛・結婚、元アイドルとしての追想まで。AV女優としては“センター”を掴んだともいえる三上が語る“現在地”とは――。
(全3回のインタビューのうちの第3回/第1回、第2回はこちら)
©文藝春秋
◆◆◆
この業界ならナンバー1をとれるんじゃないか
――そもそも、AV業界に入ろうと思ったきっかけは?
「この業界ならナンバー1を獲れるんじゃないかと思ったのが一番ですね。私は過去にアイドルとしても活動していたことがありましたが、いろいろと不祥事を起こしてしまって、向いてないんだと思って(笑)。路頭に迷っていた頃、AVのお話をもらって、やるんだったらちゃんとやろうと決めました」
――三上さんは2009年から14年まで、国民的アイドルグループの名古屋支部でアイドル活動をされていました。過去のインタビューで「アイドル時代の私は何もやりきれてなかった」と語っていたこともありましたね。グループは卒業しましたが、別のアイドルグループに入りなおすことは考えなかったんでしょうか。
「私の中では、アイドルって10代のうちからずっと頑張り続けて磨くものなんです。私は20歳のときにグループを卒業してしまったので、そこからまた“振り出しに戻る”っていうのは全然考えていませんでした。
でもバイトもしたことがなかったので、このままじゃ社会に出れないと思って。どうにか芸能界にしがみつこうと思ってましたね。もちろんAVのお話をいただいた時には葛藤はあったんですけど、自分のなりたい“先”を見ました」
親には3カ月くらい絶縁されました
――“先”とは?
「当時思い描いていたのは、『自分の買いたい物を躊躇なく買える』、とかそんな程度の浅はかなことです(笑)。ただ、華やかに生きたいという気持ちが20代前半の時は強かったかもしれないですね」
――以前、テレビ番組で「デビュー作のギャラは世田谷区の2LDKの中古マンションが買える金額」だったと明かされていますよね。今も華やかに生きたい気持ち変わらないですか?
「維持はしたいですね。住んでいる家(の家賃)も、多分地元の名古屋に住んでいた時に比べたら10倍くらいになったのかな……数字の計算が苦手なので、正確にはわからないですけど(笑)」
――ご両親にはデビューは反対されましたか?
「めちゃくちゃ反対されました。反対どころか、3カ月くらい絶縁されました。今は全然そんなことないですよ。AVのお仕事に全面的に賛成してくれてるわけじゃないですが、Instagramだけはフォローして見てくれてるらしくて。『自分なりに生きてれば、いいんじゃない?』って言ってくれています」
アイドルをプロデュースしたい。もちろん「恋愛は禁止」です(笑)
――AV女優の卒業を考えたことはありますか?
「辞めるとかは全然考えてないですね。私は元々30歳くらいまではAVを続けようかなと漠然と思っていたんです。今は27歳で、30になるまではまだ2年半ありますし。デビュー当時は『やるんだったらちゃんとやる』程度に思っていたこのお仕事も、今は自分のなかですごく大切にしたいものの一つになっています」
――AVの仕事以外でいま新しく始めたいものはありますか?
「私は小学校低学年の頃からのアイドルオタクなので、自分自身でアイドルのプロデュースはしてみたいなと思っています。自分でアイドルを作ってみたい。自分が表に出ることはもうしないけど、裏方としてアイドルに関わってみたい気持ちはありますね」
――その場合、「恋愛は禁止」でしょうか?
「いろいろと男性問題でトラブルを起こした私があんまり口出しできない気もしますが、もし本当にアイドルをプロデュースするなら、恋愛は禁止にするかもしれないです。一応表面上はバレないようにしてくださいって(笑)」
――説得力のある言葉ですね。どういうアイドルを育てたいですか。
「やっぱり、アイドルたるもの男性の影をチラつかせてはいけない。あとは最初から最後までアイドルの自分を走り切る覚悟とか。そういうところは基本だなって思ってます。
私はずっとBerryz工房のももち(嗣永桃子)が好きだったんです。ももちはすごいんですよ。ファンの前でアイドルじゃない自分を絶対に見せない。プロ意識がすごい高いんです。私はもう絶対無理ですね(笑)。私はアイドルになるよりも、アイドルを応援してるのが一番良かったかなと思います」
AVをやってしまったらもう絶対にアイドルにはなれない
――それで裏方に回ってみたいと。元アイドルでプロデュース業をしているというと、指原莉乃さんが思い浮かびます。
「確かにアイドル好きですもんね、さっしーも」
――スキャンダルをバネにして飛躍したアイドルという点でも、三上さんと指原さんは共通しているように思います。2020年はAKBの紅白歌合戦連続出場記録がストップするなど、グループにとって大きな転換点となりました。在籍していたことを今でも思い出すことはありますか?
「いえ、在籍していた事を忘れてしまうくらい、離れた存在になってしまいました。今は、私がAV業界に行ったことで、かえって注目されていますが、私個人としてはあんまり自分と近いものだと思っていないんです。
今でも仲良くしている子は何人かいるんですが、私のほうから誰々と連絡とっているとかは発言できないんですよね。やっぱり過去に不祥事起こしたことや、この業界にいることも良く思ってない人がいるかもしれないし、それは分からないので。だから私としては自分の在籍していたグループを“古巣である”とは意識しないようにしている部分があります。でも、AV女優としての私をこっそり『ファンだよ』って言ってくれるグループの子がいたりして、そういうのは嬉しいですね。その子には私のブランドの洋服をあげたりしました(笑)」
――アイドルに戻りたい、とは一度も思わないですか?
「全く思わないです。AVをやってしまったらもう絶対にアイドルにはなれない。もちろん『恵比寿マスカッツ』とか『HONEY POPCORN』とか、アイドル的な活動はさせてもらっていますし、女性ファンが応援してくれることでアイドルっぽい気持ちにはなれたりもします。
でも私の軸足はあくまでもAV女優。どんな仕事も『AV女優の三上悠亜がやってるからおもしろい』って私は思いますね」
◆◆◆
三上悠亜のインタビューは2時間に及んだ。どんな質問にも真摯に耳を傾け、インタビュアーの目を見つめながら丁寧に答える様子は、アイドル時代よりも自信にあふれているように見えた――。
撮影=山元茂樹/文藝春秋
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「私が芸能界で不祥事を起こしてAVデビューした理由」天下を獲ったAV女優・三上悠亜が激動の5年を赤裸々告白
いま飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を集めているAV女優がいる。2015年6月、国民的アイドルグループの名古屋支部からアダルト業界に異例の転身をした三上悠亜(27)だ。三上は「Princess Peach」(MUTEKI)でAV女優としてデビュー後、一気にブレイク。「DMM.R18アダルトアワード」「スカパー!アダルト放送大賞」「このAV女優がすごい!」などの各賞を総なめにしてきた。さらに三上はAVだけでなく、K-POPアイドルグループ「HONEY POPCORN」でセンターを務めたり、アパレルブランド「miyour's」をプロデュースするなどその活動は多岐にわたっている。男性ばかりでなく、女性からの支持も高く、TwitterやInstagramなどSNSのフォロワーは計500万人を超えた。
そんな三上が「文春オンライン」特集班の独占インタビューに答えた。AV女優としての心境の変化から、自身の恋愛・結婚、元アイドルとしての追想まで。AV女優としては“センター”を掴んだともいえる三上が語る“現在地”とは――。
(全3回のインタビューのうちの第3回/第1回、第2回はこちら)
©文藝春秋
◆◆◆
この業界ならナンバー1をとれるんじゃないか
――そもそも、AV業界に入ろうと思ったきっかけは?
「この業界ならナンバー1を獲れるんじゃないかと思ったのが一番ですね。私は過去にアイドルとしても活動していたことがありましたが、いろいろと不祥事を起こしてしまって、向いてないんだと思って(笑)。路頭に迷っていた頃、AVのお話をもらって、やるんだったらちゃんとやろうと決めました」
――三上さんは2009年から14年まで、国民的アイドルグループの名古屋支部でアイドル活動をされていました。過去のインタビューで「アイドル時代の私は何もやりきれてなかった」と語っていたこともありましたね。グループは卒業しましたが、別のアイドルグループに入りなおすことは考えなかったんでしょうか。
「私の中では、アイドルって10代のうちからずっと頑張り続けて磨くものなんです。私は20歳のときにグループを卒業してしまったので、そこからまた“振り出しに戻る”っていうのは全然考えていませんでした。
でもバイトもしたことがなかったので、このままじゃ社会に出れないと思って。どうにか芸能界にしがみつこうと思ってましたね。もちろんAVのお話をいただいた時には葛藤はあったんですけど、自分のなりたい“先”を見ました」
親には3カ月くらい絶縁されました
――“先”とは?
「当時思い描いていたのは、『自分の買いたい物を躊躇なく買える』、とかそんな程度の浅はかなことです(笑)。ただ、華やかに生きたいという気持ちが20代前半の時は強かったかもしれないですね」
――以前、テレビ番組で「デビュー作のギャラは世田谷区の2LDKの中古マンションが買える金額」だったと明かされていますよね。今も華やかに生きたい気持ち変わらないですか?
「維持はしたいですね。住んでいる家(の家賃)も、多分地元の名古屋に住んでいた時に比べたら10倍くらいになったのかな……数字の計算が苦手なので、正確にはわからないですけど(笑)」
――ご両親にはデビューは反対されましたか?
「めちゃくちゃ反対されました。反対どころか、3カ月くらい絶縁されました。今は全然そんなことないですよ。AVのお仕事に全面的に賛成してくれてるわけじゃないですが、Instagramだけはフォローして見てくれてるらしくて。『自分なりに生きてれば、いいんじゃない?』って言ってくれています」
アイドルをプロデュースしたい。もちろん「恋愛は禁止」です(笑)
――AV女優の卒業を考えたことはありますか?
「辞めるとかは全然考えてないですね。私は元々30歳くらいまではAVを続けようかなと漠然と思っていたんです。今は27歳で、30になるまではまだ2年半ありますし。デビュー当時は『やるんだったらちゃんとやる』程度に思っていたこのお仕事も、今は自分のなかですごく大切にしたいものの一つになっています」
――AVの仕事以外でいま新しく始めたいものはありますか?
「私は小学校低学年の頃からのアイドルオタクなので、自分自身でアイドルのプロデュースはしてみたいなと思っています。自分でアイドルを作ってみたい。自分が表に出ることはもうしないけど、裏方としてアイドルに関わってみたい気持ちはありますね」
――その場合、「恋愛は禁止」でしょうか?
「いろいろと男性問題でトラブルを起こした私があんまり口出しできない気もしますが、もし本当にアイドルをプロデュースするなら、恋愛は禁止にするかもしれないです。一応表面上はバレないようにしてくださいって(笑)」
――説得力のある言葉ですね。どういうアイドルを育てたいですか。
「やっぱり、アイドルたるもの男性の影をチラつかせてはいけない。あとは最初から最後までアイドルの自分を走り切る覚悟とか。そういうところは基本だなって思ってます。
私はずっとBerryz工房のももち(嗣永桃子)が好きだったんです。ももちはすごいんですよ。ファンの前でアイドルじゃない自分を絶対に見せない。プロ意識がすごい高いんです。私はもう絶対無理ですね(笑)。私はアイドルになるよりも、アイドルを応援してるのが一番良かったかなと思います」
AVをやってしまったらもう絶対にアイドルにはなれない
――それで裏方に回ってみたいと。元アイドルでプロデュース業をしているというと、指原莉乃さんが思い浮かびます。
「確かにアイドル好きですもんね、さっしーも」
――スキャンダルをバネにして飛躍したアイドルという点でも、三上さんと指原さんは共通しているように思います。2020年はAKBの紅白歌合戦連続出場記録がストップするなど、グループにとって大きな転換点となりました。在籍していたことを今でも思い出すことはありますか?
「いえ、在籍していた事を忘れてしまうくらい、離れた存在になってしまいました。今は、私がAV業界に行ったことで、かえって注目されていますが、私個人としてはあんまり自分と近いものだと思っていないんです。
今でも仲良くしている子は何人かいるんですが、私のほうから誰々と連絡とっているとかは発言できないんですよね。やっぱり過去に不祥事起こしたことや、この業界にいることも良く思ってない人がいるかもしれないし、それは分からないので。だから私としては自分の在籍していたグループを“古巣である”とは意識しないようにしている部分があります。でも、AV女優としての私をこっそり『ファンだよ』って言ってくれるグループの子がいたりして、そういうのは嬉しいですね。その子には私のブランドの洋服をあげたりしました(笑)」
――アイドルに戻りたい、とは一度も思わないですか?
「全く思わないです。AVをやってしまったらもう絶対にアイドルにはなれない。もちろん『恵比寿マスカッツ』とか『HONEY POPCORN』とか、アイドル的な活動はさせてもらっていますし、女性ファンが応援してくれることでアイドルっぽい気持ちにはなれたりもします。
でも私の軸足はあくまでもAV女優。どんな仕事も『AV女優の三上悠亜がやってるからおもしろい』って私は思いますね」
◆◆◆
三上悠亜のインタビューは2時間に及んだ。どんな質問にも真摯に耳を傾け、インタビュアーの目を見つめながら丁寧に答える様子は、アイドル時代よりも自信にあふれているように見えた――。
撮影=山元茂樹/文藝春秋
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
0 件のコメント:
コメントを投稿