2015年9月2日水曜日

目からうろこ! 子どもがトイレを流さない理由を知り反省

出逢い ~吾輩の読書との出逢い~: クラン1



 年齢を経てますます大切なのは、毎日を機嫌よく過ごす力「ごきげん力」ではないでしょうか。

 人生いいこともあれば、悪いこともある。馬が合う人もいれば、合わない人もいる。でも、どんなときでも「ごきげん力」さえあれば、大丈夫。

 元吉本興業の名物マネージャーで、現在、「笑い」や「元気」などをテーマに年間300回ものセミナー・講演を行う大谷由里子(51歳)さんがお送りする「ごきげんに生きるために大切な習慣」。

 大人気イラストレーターの上大岡トメさんのコラボ4コマも同時連載中です!

*  *  *
 人は、相手の行動を見てその人を判断する。そして、イラッとしたり、「この人と合わない」「この人、うっとうしい」と、思ったりする。

 わたしも、同じだった。

 でも、これからは、

「行動の裏には、その人の価値観がある」

 ということを知っていなければ、人間関係がうまくいかないことをわかっていたほうがいい。

 逆にそのことをわかっていると、ごきげんでいられる。

 そのことを私に教えてくれたのが、講師仲間でふだんは商社で働くサラリーマン、アンディ中村さんだった。

 企業の人たちと話していると、よくこんな話題になる。

「最近の若い子たちは、メール一本で『会社を辞めます』って言うんだよなあ。かんべんしてほしいよ」

「なんでもメールで済まそうとしてほしくないよなあ」

 わたしも、「そのとおり」だと思って同感していた。

 でも、アンディ中村さんは違った。

「彼らは、悪気も何もないよ。それが当たり前だと思っているよ」

「どうして?」

「だって、彼らは、就職活動で必死でエントリーシート書いて、企業の会社説明会に行って、がんばってアプローチしても、メール1本で落とされる経験をしているんだから。メール1本で休んだり、会社を辞めることが悪いことだと思うはずないじゃないですか」

 目からウロコだった。

 原因は、わたしたちオトナが作っていた。

 そんな視点で見ると、いろいろ納得していなかったことが、納得できるようになっていた。

 たとえば、近所にステキな飲食店ができていて、若手メンバーに、

「あんなところにあんな店ができているよ」

 と、盛り上げるつもりで言ったにもかかわらず、

「でも、大谷さん、そこ、食べログで2.8ですよ」

 と、言われて、ムカッときたことがあった。

 アンディ中村さんの言葉を聞いて以降、若手メンバーが、なぜそんなことを言うかも理解できるようになった。

 平成生まれのメンバーは、生まれた時からパソコンも携帯もあった。比較検討が当たり前だった。

 そして、彼らの価値観には、

「大谷さんは、盛り上がっているけれど、その店に行ってみたら、従業員の態度が悪いかもしれないし、美味しくないかもしれない。行ってから、大谷さんの不機嫌な顔を見るの嫌だよなあ」

 という感情が働いていた。

 それが理解できると、コミュニケーションのとり方も変わってくる。

「ねえ、あそこの店、美味しいかどうかわからないし、従業員の態度が悪いかどうかもわからないけれど、冒険してみょうよ」

 という誘い方になる。

 そんな話をしていたら、ある幼稚園の先生が言った。

「そのとおりよ。それがわかっていなければ、間違って、子どもを叱ることになるんですよ」

「どういうこと?」

 思わず聞き返した。

 彼女が言うには、

「幼稚園の子どもたちが、トイレを流さないの。だから『トイレを流しなさい』と、怒っていたのよ。でも、子どもたちは、キョトンとしているの。そして、ある子どもが言ったの。『どうして流れないの?』って」

 その時、彼女は、初めて気づいたらしい。

「この子たちのマンションのトイレは、自動的に流れるんだ」ということを。

 実際、彼女のマンションのトイレも自動で流れていた。

「なのに、わたし、気づいてなかったんだよね。子どもたちにとっては、その世界しか知らないということを。反省だわ」

 今は、トイレの流し方を子どもたちに教えているらしい。

 わかっているようで、わかっていない人の価値観。

 これからは、楽しく「人の価値観」も研究していきたい。

dot.(ドット)参照



仕方がない

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