出逢い ~吾輩の読書との出逢い~: クラン1
年齢を経てますます大切なのは、毎日を機嫌よく過ごす力「ごきげん力」ではないでしょうか。
人生いいこともあれば、悪いこともある。馬が合う人もいれば、合わない人もいる。でも、どんなときでも「ごきげん力」さえあれば、大丈夫。
元吉本興業の名物マネージャーで、現在、「笑い」や「元気」などをテーマに年間300回ものセミナー・講演を行う大谷由里子(51歳)さんがお送りする「ごきげんに生きるために大切な習慣」。
大人気イラストレーターの上大岡トメさんのコラボ4コマも同時連載中です!
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人は、相手の行動を見てその人を判断する。そして、イラッとしたり、「この人と合わない」「この人、うっとうしい」と、思ったりする。
わたしも、同じだった。
でも、これからは、
「行動の裏には、その人の価値観がある」
ということを知っていなければ、人間関係がうまくいかないことをわかっていたほうがいい。
逆にそのことをわかっていると、ごきげんでいられる。
そのことを私に教えてくれたのが、講師仲間でふだんは商社で働くサラリーマン、アンディ中村さんだった。
企業の人たちと話していると、よくこんな話題になる。
「最近の若い子たちは、メール一本で『会社を辞めます』って言うんだよなあ。かんべんしてほしいよ」
「なんでもメールで済まそうとしてほしくないよなあ」
わたしも、「そのとおり」だと思って同感していた。
でも、アンディ中村さんは違った。
「彼らは、悪気も何もないよ。それが当たり前だと思っているよ」
「どうして?」
「だって、彼らは、就職活動で必死でエントリーシート書いて、企業の会社説明会に行って、がんばってアプローチしても、メール1本で落とされる経験をしているんだから。メール1本で休んだり、会社を辞めることが悪いことだと思うはずないじゃないですか」
目からウロコだった。
原因は、わたしたちオトナが作っていた。
そんな視点で見ると、いろいろ納得していなかったことが、納得できるようになっていた。
たとえば、近所にステキな飲食店ができていて、若手メンバーに、
「あんなところにあんな店ができているよ」
と、盛り上げるつもりで言ったにもかかわらず、
「でも、大谷さん、そこ、食べログで2.8ですよ」
と、言われて、ムカッときたことがあった。
アンディ中村さんの言葉を聞いて以降、若手メンバーが、なぜそんなことを言うかも理解できるようになった。
平成生まれのメンバーは、生まれた時からパソコンも携帯もあった。比較検討が当たり前だった。
そして、彼らの価値観には、
「大谷さんは、盛り上がっているけれど、その店に行ってみたら、従業員の態度が悪いかもしれないし、美味しくないかもしれない。行ってから、大谷さんの不機嫌な顔を見るの嫌だよなあ」
という感情が働いていた。
それが理解できると、コミュニケーションのとり方も変わってくる。
「ねえ、あそこの店、美味しいかどうかわからないし、従業員の態度が悪いかどうかもわからないけれど、冒険してみょうよ」
という誘い方になる。
そんな話をしていたら、ある幼稚園の先生が言った。
「そのとおりよ。それがわかっていなければ、間違って、子どもを叱ることになるんですよ」
「どういうこと?」
思わず聞き返した。
彼女が言うには、
「幼稚園の子どもたちが、トイレを流さないの。だから『トイレを流しなさい』と、怒っていたのよ。でも、子どもたちは、キョトンとしているの。そして、ある子どもが言ったの。『どうして流れないの?』って」
その時、彼女は、初めて気づいたらしい。
「この子たちのマンションのトイレは、自動的に流れるんだ」ということを。
実際、彼女のマンションのトイレも自動で流れていた。
「なのに、わたし、気づいてなかったんだよね。子どもたちにとっては、その世界しか知らないということを。反省だわ」
今は、トイレの流し方を子どもたちに教えているらしい。
わかっているようで、わかっていない人の価値観。
これからは、楽しく「人の価値観」も研究していきたい。
参照
仕方がない
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