加藤浩次(C)日刊ゲンダイ
「取締役が変わらなかったら僕は会社を辞める」
 高らかに振り上げた拳を、23日の吉本興業の大崎洋会長と会談後、一度おさめた形となった極楽とんぼの加藤浩次(50)。退社はいったん、保留とし、MCを務める「スッキリ」(日本テレビ系・26日放送)では、「(吉本興業が)どう変わるのか、変わらないのかを僕も考えないといけない」として、騒動をわびた。それ以来、この件に関しては触れられていない。
 番組を放送する日本テレビは、29日の社長定例会見で加藤の進退について問われ、「(退社は)仮定の話なので、降板の可能性は全く考えておりません」と否定。しかし、芸能文化評論家の肥留間正明氏はこう話す。
「ここであきらめることなく、加藤は吉本を出た方がいいと思います。問題だらけの吉本興業に対し、勇気を持って異議申し立てをした加藤の言動を、多くの芸人たちが称賛し、希望を見いだしたんです。“加藤の乱”は成就させて“加藤の変”にしなくてはならないと思います。仮に吉本に残ったとしても、吉本の社風からすれば、干されたり、飼い殺しにされたり、報復を受けることは目に見えていますから」
 加藤と親しいおぎやはぎの矢作兼(47)は、24日放送の「バイキング」(フジテレビ系)で、「(加藤は)吉本の若手を背負って言っているみたいになってるけど、全然そんなつもりないですからね。あれはただの狂犬ですから。引き連れて行こうなんて気持ちはさらさらないからね。1人でキレてるだけなんだから」と笑わせたが、このままでは単なるスタンドプレーとなりかねない。
「芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反」の著者であるジャーナリストの星野陽平氏はその背景をこう見る。
「加藤の言動は、よほど会社への不満がたまっていたとしても、相当しっかりとした後ろ盾がないとできるものではありません。すでに何らかの強固なバックや黒幕が存在していると思います。今後、加藤がもし吉本興業に残ったとして、冷や飯を食わされた場合、再び反旗を翻し、賛同者と一緒に吉本を割って出るというハラはあると思います。つまり吉本興業にとっては、今後も分裂の火種はくすぶり続けるんです」
手負いの“狂犬”ほど恐ろしいものはない。