韓国のヒップホップグループ「防弾少年団」(左から)RM、J-HOPE、V、JUNG KOOK、JIMIN、SUGA、JIN
 原爆投下が描かれたTシャツをメンバーが着用していたとして、9日放送のテレビ朝日「ミュージックステーション」の出演が見送られた韓国の7人組「BTS(防弾少年団)」が、年末の音楽特番の出演が全て白紙になったことが9日、分かった。

 関係者によると、大みそかのNHK紅白歌合戦は一時、初出場のオファーを検討していたが、すでに見送った。12月5、12日放送のフジテレビ「FNS歌謡祭」は出演を打診していたが、9日までに撤回。12月下旬放送予定のテレビ朝日「ミュージックステーション・スーパーライブ」も出演案が消滅したという。

 問題となっているTシャツには「愛国心」「私たちの歴史」「解放」「韓国」を意味する英語とともに、原爆投下後にキノコ雲が上がる写真と、万歳する人々の姿がプリントされている。メンバーが着用したのは昨年3月だが、10月中旬に韓国のネットニュースで報道され明らかに。日韓で騒ぎとなっていたが、メンバーらはこれまで、Tシャツを着た真意などについて言及していない。

 BTSは13年にデビュー。今年5月にはアルバムが、米国の音楽チャート「ビルボード200」で韓国の歌手として初の1位を獲得した。今月13日からは東京ドーム公演を皮切りに4大ドームツアーが控えている。

 10月30日には韓国最高裁が日本企業に元徴用工への損害賠償を命じ、1965年の日韓請求権協定で「解決済み」の請求権問題を蒸し返したばかり。これに世界的に活躍するBTSのTシャツ騒動が加わり、テレビだけでなく、日本のメディア全体に“韓流締め出し”が広がってもおかしくない。

 現在の第3次韓流ブームは、10代の女子中高生が下支えし、さらに加速する期待感があっただけに、今回の問題はブームに冷や水を浴びせた形。再び日韓関係がギクシャクする中で、解決の糸口は見いだせない状況となっている。