平成芸能史に残る「別に」発言も今は昔。沢尻エリカ(33)が女優として新たな境地を開いている。

 躓(つまず)きは、沢尻21歳のときだった。主演映画『クローズド・ノート』の舞台挨拶で、司会者の質問に対し「別に……」などとふてくされた態度に終始。
「これが大バッシングを浴び、アイドル女優としてのイメージは地に墜ちた。私生活では22歳の時に22歳年上のクリエイター・高城剛氏と結婚したものの、4年で離婚。公私にわたる奔放な言動に、09年には大手芸能プロとの契約も解消。個人事務所を設立した」(芸能デスク)

沢尻エリカ ©文藝春秋
 窮地の沢尻が挑んだのは、“裸一貫”の演技だった。12年、映画『ヘルタースケルター』でヌードを披露、日本アカデミー賞の優秀主演女優賞に選ばれた。

汚れ役、愛人役からついに大河で「正室」役へ

「以降は経験を肥やしにしたかのように新たな役柄を獲得。映画『新宿スワン』(15年)の風俗嬢、ドラマ『大奥』(16年・フジ系)の悪女っぷり全開の側室などがその象徴。長澤まさみ(31)や綾瀬はるか(34)ら、清純派を通してきた同世代の女優にはできないような汚れ役も、厭わず受ける女優として地位を確立した。スキャンダルや独立を経たことで、オファーする側としても、変に“忖度”する必要がない存在として需要が高まった。もともと18歳で出演した映画『パッチギ!』(05年)で複数の新人賞を獲得するなど、力量には定評がある」(映画関係者)
 5月22日から5夜連続で放送されるテレビ朝日開局60周年記念ドラマ『白い巨塔』では、岡田准一(38)演じる財前五郎の愛人役。9月公開の小栗旬(36)主演映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』でも愛人の1人。愛人づいている沢尻だが、来年、初出演するNHK大河ドラマ『麒麟がくる』では濃姫役。堂々たる織田信長の「正室」だ。
「NHKは『濃姫の“気高く気が強い”“意志が強く美しい”というイメージ』から沢尻を起用したと説明。沢尻も会見で『(女優)20周年にしてやっと、大河に出演することができました。本当に嬉しく思います』と瞳を潤ませていました」(テレビ誌記者)
 12年を経ての立派な会見。“エリカ様”も大人になった--。