2015年8月9日日曜日

窮地のPL野球部 母体教団が廃部を推し進める理由

出逢い ~吾輩の読書との出逢い~: 進撃する相場の投資術



春夏あわせて7回の全国制覇を誇るPL学園野球部が風前のともしびだ。ノンフィクションライター・柳川悠二氏が取材した。



*  *  * 

 7月28日にあった全国高校野球選手権大阪大会準々決勝で大体大浪商に1‐2で敗れたあと、PL学園の校長にして、野球部監督を兼任する草野裕樹氏(64)はこう話した。



「(敗戦は)監督の責任です。しっかり立て直して再スタートを切りたい」



 しかし、新チームの部員はわずか12人(試合の出場資格保持者は11人)しかおらず、今後は紅白戦もできない状況に陥る。新入部員の募集停止は継続され、2人の外部コーチの退任や、老朽化が目立つ室内練習場、グラウンドに隣接するかつての野球部寮「研志寮」の取り壊しも決まった。また、専用グラウンドは学園の母体であるパーフェクトリバティー教団から寄付された土地だが、その返還も求められている。今、野球部はすべての練習環境が奪われようとしているのだ。



 現状のままでは、全国制覇7度の名門野球部も、来夏には廃部を迎える。3年生部員の保護者はいう。



「他の部とも共有する新しい室内練習場を造るとは説明されました。グラウンドがなくなるということについては、聞いておりません。再建するつもりがあるのなら、なぜ部員募集を再開してもらえないのか。2年生の部員や保護者は不安を抱えています」



 野球部に混乱を招いたのは部員の不祥事だった。2013年に部内暴力が発覚すると、6カ月に及ぶ対外試合禁止処分に。当時の監督は引責辞任し、野球経験のない校長が監督を務める異常事態が続いてきた。



 私はこの1年、廃部問題を取材してきたが、学園はもとより教団に、野球部を存続させる意向は感じられない。今夏の大会期間中も、草野氏には幾度も質問をぶつけた。



――新しい室内練習場はいつから施工となるのか。



「部員は目の前の試合を戦うことで必死なんです」



――3年生はそうでしょう。しかし、ベンチに入っていない2年生は、いつ野球部がなくなるかもわからない不安を抱えている。



「……」



 野球部はPL教団の広告塔的役割を担ってきた歴史があり、KKコンビ(桑田真澄、清原和博)のいた80年代に教団も最盛期を迎えた。その教団が、なぜ野球部の廃部を推し進めるのか。



 まずは現在の教団および学園の深刻な財政難が背景にある。83年に公称265万人(宗教年鑑)だった信者数は激減。信者全員に配られる機関紙の発行部数は現在、7万部という教団教師(布教師)の証言から推察すれば、実際の信者数は数万人程度だろう。



 80年代には定時制も含めて千人以上いた学園の生徒数も大きく減少し、1学年120人の定員に対して、内部進学者をのぞく今年度の高校受験者はわずか28人。現状は甲子園に出場したとしても、往年のようにアルプス席で人文字を作ることはできない。母体が弱体化し、野球部に浄財を投下できないのが実情である。



 問題は、部員やその保護者、あるいはOBたちに説明がいっさいないまま野球部の将来が決められていることだ。その決定権を持つのは、病を抱える3代教主・御木貴日止氏に代わって実権を握る美智代夫人とされている。



 前出の保護者はいう。



「今年、甲子園に行くことができたら、存続の道が開けたかもしれない。入学した段階から実質、監督がいない中で、ベスト8に進出しただけでも3年生は立派ですが……」



 現役部員や保護者、OBがいくら存続を願ったとしても、その声が教団に届く様子は見られない。

dot.(ドット)参照



伝統校だったが



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