【バンコク=大重真弓】タイ中部パタヤ郊外で日本人の男15人が不法就労の疑いで逮捕された事件で、タイ警察は3月31日、容疑者全員の身柄をバンコクの拘置施設に移送した。
 男らは日本人を標的にした特殊詐欺グループとみられており、今後、日本の警察が裏付け捜査を行う。
 タイ警察などによると、容疑者の本籍地は福岡県が6人、大分県と大阪府が2人、宮崎、熊本、佐賀、沖縄県、東京都が各1人だった。15人は31日午後3時半頃、パタヤ郊外のバンラムン警察署の留置所からシャツやタオルで顔を隠しながら外に出てきた。問いかけに無言のまま、移送用の警察車両に乗り込んだ。
 15人は高級住宅地の住宅で共同生活をしていた。住宅の借り主など、ほかに日本人2人とタイ人1人が事件に関与しているとみられている。敷地内のプール掃除を担当していたシントーン・アマティンさん(61)は男たちの様子について「いつもたばこを分けてくれて、親切な印象だった」と話し、逮捕に衝撃を受けていた。建物の中の状況はうかがい知れなかったという。