第10回AKB世界選抜選挙/(C)AKS
 AKBグループ大空位時代の幕開けだ。15日に突如発表された指原莉乃(26)のHKT48卒業宣言――。指原はバラエティー番組では引く手あまたで“AKBの広告塔”としてだけでなく、HKTでは若手メンバーの“精神的支柱”として活躍。そんな指原の卒業はAKBグループ全体の存在を揺るがす大問題というわけである。
 芸能リポーターの川内天子氏は「さっしーを超えるスターが出てこなかったのは事実」としてこう続ける。
「彼女はずばぬけたセルフプロデュース力の持ち主。自身もハロプロファンだけにファン心理は熟知。さらに10代の頃からエゴサーチをしてファンが求めるもの、嫌いなものを徹底して分析する努力家です。HKTがAKB総選挙で大躍進したのも、そんな指原さんの背中を見ているからです。AKBグループとして指原さんに代わる人材が育っていないことは、運営側もメンバーもファンも危機感を覚えているのは確か。しかし、この危機感がメンバーやファンに主体性を持たせ、AKB全体を活性化させると思います。指原さんなき後は“雨後のたけのこ状態”で、逆にこれまで目立たなかった推しメンが突然神7に入る可能性もありうる。最初はトーク力も拙いかもしれませんが、新たなAKBの歴史がここから始まると思います」
 アイドル研究家の北川昌弘氏は「指原さんはひとつ肩書を外しただけ」としてこう論じる。
「活動面では指原さん単独の仕事が増えていて、実質的には変わらない。肩書をひとつ外したにすぎないと思います。山本彩さんのように卒業を先延ばしにするとかえってグループ全体のダメージが大きくなるので、卒業には遅いくらいに思います。指原さんは『ラストアイドル』などアイドルプロデュースも手掛け、業界全体のテコ入れができる貴重な人材。ジャニーズだけをプロデュースする滝沢秀明さんよりもさらに広く、指原さんはハロプロなども含めた“アイドル業界全体”の取りまとめ役として重要な位置を占めるでしょう。AKBグループに関してはむしろ“本家AKBの弱体化”が根本的な問題。CDはすべて他ユニットの主力メンバーの寄せ集めで、AKBの若手メンバーは全くチャンスがない。こうした構造的な問題に対策を立てるべき時だと思います」
指原卒業は平成最後の“AKB大改革”への機運。600人超の大所帯から新たなスターは誕生するのか。それすらも第2の秋元康とも呼ばれる指原の手腕にかかっている。