左が雄、右が雌の体を持つモセリオウゴンオニクワガタ=2019年9月28日午前10時55分、高知県四万十市具同、笠原雅俊撮影
 体の左半分は雄、右半分は雌という「雌雄嵌合(かんごう)体」の珍しいクワガタが、高知県四万十市のトンボ自然公園で展示されている。
 インドネシアやマレーシアに生息する「モセリオウゴンオニクワガタ」。展示されているものは、体長約4センチ。中央部で雌雄がはっきりと分かれており、左のアゴが長く、右側のアゴが短い。同公園によると「自然界で発生する確率は4万分の1」という。
 大阪府守口市の横田裕さん(70)が卵から育て、6月に羽化した。横田さんは「最初は気づかなかった。1カ月後になんだか左右のアゴのバランスがおかしいと思いました」。横田さんは同公園を運営する「トンボと自然を考える会」の会員だったことから、「もっと多くの人に見てもらいたい」とこのクワガタを贈ることにした。
 クワガタは、飼育ケースの中で昆虫ゼリーを吸ったり、木片の上をゆっくりと動いたり。
 休日には家族連れや観光客が飼育ケースをのぞき込んだり、写真を撮ったりしている。四万十市に住む幼稚園児の矢部心陽(こはる)ちゃん(5)は「ふつうのクワガタと形が違う。すごい」。
 同会の杉村光俊常務理事は「非常に珍しい。自然界の神秘を感じて欲しいですね」と話している。展示は当初9月29日までの予定だったが、好評のため10月いっぱいまで延長する。(笠原雅俊)