お笑い芸人「霜降り明星」のせいやさんについてのセクハラ報道が注目を集めています。SNSで知り合った一般女性と、ビデオ会議が行える通信アプリ「Zoom」を使ったオンライン飲み会をしていた最中に自身の下半身を露出したという内容ですが、一時期Twitterでは、「#Zoomハラスメント」「#ズムハラ」などのタグが飛び交うほど話題になりました。
オンライン飲み会の様子を勝手にキャプチャーしていいの?
コロナ拡大防止でしばらく学校は休校になっていましたが、オンライン授業を実施していた学校でトラブルになったことがあります。それは、オンライン中の友達の顔のキャプチャーです。変な顔にちょうど映った瞬間を画面ごと撮影し、その画像をほかの友達に送って、ネタにして楽しむというものでした。
同じようなことは学校だけでなく会社でも起きており、実際に困っているとの相談も受けました。在宅ワークをする機会が増えるのにあわせて、オンラインハラスメントも増えていたと思われます。
今回、せいやさんのオンライン飲み会での画像は、ハラスメント行為をされたと訴える女性によりキャプチャーされていました。
「キャプチャーされて困るようなことをするのが悪い」「そもそもキャプチャーされてること自体脇が甘い」という意見もありますが、芸能人だって人間です。
すべてにおいて「何か証拠をとられているかも!?」と思いながら行動しなければいけないのはかわいそうです。報道によると、せいやさんはキャプチャーされていたのは知っていたけれど、流出すると思っていなかったようです。
「#Zoomハラスメント」といえば、Zoomを通してハラスメントを受ける人のほうが注目されますが、勝手にキャプチャーして世の中に拡散させてしまうというのも、もう1つの「#Zoomハラスメント」といえると思うのです。
今回の報道では、Zoomをしていた際の画像だけではなく、報道後にせいやさんと女性がやり取りしたと思われるLINEの画像まで公開されていました。
とにかく何でも世の中に公開してしまう。そもそも、ここまでの個人情報が露出してしまって問題ないのでしょうか。
そして、また犯人探しがはじまる!?
せいやさんの件を通して、最近プライベートなことが公になる報道があまりに多いと感じています。
報道によれば、せいやさんと女性側とでは主張が食い違うこともあり、真実はわかりません。
もちろん芸能人なので、プライベートな部分を「知りたい」「見たい」という世間の声があるのも事実ですが、今回のような性に関する、しかもモザイクをかけないといけないレベルの画像が出回り、叩かれる。それは大変怖い世の中でもあります。
そして「やっぱりあれはやりすぎた」とか「女性もその気があったんだろう」という話題が加熱すると、今度は「この被害者の女性は誰なのか」という犯人探しがはじまるかもしれません。
関係ない人が、勝手に「こいつが犯人だ」と決めつけられ、まとめサイトに掲載されたり、Twitterに写真や個人情報が出回ることだけは起きてほしくないと思います。
◆くま ゆうこ デジタルハラスメント対策専門家。株式会社マモル代表取締役社長。自身の強みであるWebマーケティングのノウハウを活かし、 いじめや組織のハラスメントを未然に防ぐシステム「マモレポ」を開発する傍ら、学校コンサルティング、いじめ・ハラスメントのセミナー登壇、執筆を行う。
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