「今後は収益の柱を情報商材から有料メルマガ や、ユーチューブの有料チャンネルに移したいと 思ってます。何を書くかって? この2年間でボク が見聞きしたおカネのウラですよ。アイドルの素 顔やテレビに出ている実業家の化けの皮を剥ぎま す」
4月、Free Agent Style Holdings会長の与沢翼氏 が自身のブログで“破産宣言”を行い話題を呼んだ が、その与沢氏が「フライデー」(5月23日号/ 講談社)の取材で上記のようにコメントし、与沢 氏周囲の経営者たちが戦々恐々としているとい う。
「聖人君子のような、たとえばM氏の女遊びのひ どさは有名ですからね。彼らのようなオーナー経 営者は、自分の資金を投入したネイルサロンや飲 食店も持っています。登記簿謄本などにも名前が 出ないように、株を持っているだけなので、表沙 汰にはならないですけどね。当然、非上場の株で す。そういった実質支配している店に色々と処理 させていたりもします。その辺は東京・港区界隈 では有名だけど、誰も漏らさない。そこに踏み込 むのでは、と焦りを感じている経営者は多いです よ」
こう明かす人物は、与沢氏が言及する「アイド ルの素顔」もなかなかの爆弾だという。というの も、売れないアイドルやモデルたちと、社長たち をつなぐようなコミュニティーサイトがあり、な かにはテレビドラマの脇役でデビューしているタ レントなどもおり、彼女たちは上場企業の役員と もつながっているという。与沢氏はそういった世 界に憧れ、派手な遊びを繰り返した。
だが、M氏やS氏は、与沢氏のように公私混同は していない。自社の就業規則は厳しく、自身の女 遊びを会社に持ち込むこともなく、遊び相手の女 性を秘書として雇うことなど言語道断で、そう いったボーナスを欲する女性には前述のような店 で、何かしらの仕事をさせる。あくまで、良い仕 事をするためのリフレッシュの一環が、M氏に とっては女遊びなのだ。その溢れるバイタリティ と律する力で会社を大きくしてきた。
2007年、港区界隈はさながら1980年代後半〜90 年代初頭にかけたバブルを彷彿とさせた。ベン チャー企業の役員たちはM氏らに憧れ、派手に遊 んだ。その遊びの一環で、見つけたお気に入りの 女子大生に自社の就職を斡旋するなんてザラだっ た。与沢氏も、そういったノリだったのかもしれ ない。
●接待禁止の企業も
だが、08年のリーマンショックにも負けずに生 き残った会社は、アヒルのように湖水で悠々と遊 びながらも、水面下ではせわしなく水かきをして いた。それが近年では顕著になっており、たとえ ば、今月、上場申請が話題になったLINEは、 「パートナーの皆様からの接待及び贈答品の受け 取りを禁止することに致しました」と打ち出して いる。ほかにも、派手な接待や合コンなどで会社 の名刺を渡すことを禁じている会社が増えている が、一昨年に上場した企業役員はその狙いを語 る。
「接待交際費を使うようになると、接待をうたっ て、次の日、平気で昼に出社してくるようにな る。それがスタンダードになってくると会社に緊 張感がなくなる。また、いくら役員だからって、 管理職全員が昼出社になったら、管理する人間が 午前中はいないのと同じですから。接待を禁止す れば、自分のお金で飲むしかなくなる。そうなれ ば、度が過ぎることはしません」
野村証券元会長の田淵節也氏は、主幹事となっ た企業の経営者が遊んでいるという話を耳にする と、その経営者を叱りつけたといわれている。与 沢氏にも、そういった行き過ぎをたしなめる大人 がいれば、経営破たんを防げたかもしれない。問 題は、行き詰まった情報商材ビジネスではなく、 自身を律せられなかったことにあるのかもしれな い。
livedoor参照
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