2014年9月3日水曜日

「殺されるかも」小栗旬が親友・鈴木亮平に 洩らした“芸能界批判“

8月30日に封切られた、小栗旬主演の映画『ル パン三世』が、予想通りの賛否を巻き起こしてい る。ネット上では酷評も数多いが、逆に"怖いもの 見たさ"ゆえか、客足は順調なようだ。

小栗といえば、プライベートでは山田優との結 婚後も浮気疑惑が報道されるなど数々の浮き名を 流してきたが、演技に対しては一家言ある人物と して有名。そんな小栗が、日本の芸能界に対して 過激な"批判"を行い、一部で話題を呼んでいる。

「僕らの同世代でも上の世代でも「この人、何も 考えてないのによく生き残ったな」っていう人は いますから。事務所の力もありますし」 「例えば「映画にしか出ない」とか言ってる人 が、コンサバなテレビコマーシャルに出ているの を見ると、「話が違くね?」って思ったりするん ですよ。「金もらったらコンサバなテレビコマー シャルに出るのに、テレビドラマは下に見るん だ。意味わかんねえ」って」

──多くの芸能人を敵に回してしまいそうな、強 烈な本音の数々。第一線で活躍する若手俳優がこ こまで突っこんだ発言をするのは、日本の芸能界 では稀である。

この発言は、「クイック・ジャパン」(太田出 版)vol.115におさめられたインタビューで、小栗 の親友であり『花子とアン』(NHK)でブレイク を果たした鈴木亮平との対談でのこと。しかし、 なぜ小栗はこうした批判を繰り広げているの か......。そこには、現状の芸能界への苛立ちがある ようだ。

たとえば、小栗は"いい作品"をつくるために も、俳優の労働条件を改善するべく、俳優のため の労働組合づくりを構想しており、「ぼちぼち本 格的にやるべきだなと思っています」と語ってい る。アメリカにはSAG-AFTRAといった役者のため の組合があるが、日本ではこれに匹敵するような 大規模な組合はない。小栗は、あえて自分がそ の"旗振り役"になろうと考えているようなのだ が、「みんなけっこう、いざとなると乗ってくれ ないんですよ」と落胆ぎみ。そして、"のってくれ ない"理由を、小栗はこのように分析する。

「たぶん傷つきたくないからだと思うし、今の自 分の立場を失いたくないからだと思う。その気持 はわかるけど、「意外と口先だけで覚悟がねえん だな」って思うことは多いし、ちょっと悲しくな りますね。僕はどこかで、無理してまでこの世界 に生き残っていたいとも思ってないんですよね。 だからこそ、変えるしかないじゃんと思ってる」

さらに小栗は、こんな物騒な発言も行ってい る。

「ここのところはちょっとね、負け始めてます」 「組織に。やっぱり組織ってとてつもなくでかい から、「自分は誰かに殺されるかもしれない」く らいの覚悟で戦わないと、日本の芸能界を変える のは相当難しいっすね」

どうして組合をつくろうとすると、俳優が"傷つ き""立場を失って"しまうのか。そして"誰かに殺さ れるかもしれない"とさえ覚悟しないといけないの か──。

前述の小栗の発言にもあるように、日本の芸能 界は、バーニング・プロダクションをはじめとして 「事務所の力」がものをいう世界である。事務所 の力が強ければ、大して人気がなくともテレビド ラマにキャスティングされるし、スキャンダルも 圧力で握りつぶすこともできる。逆に、弱小の事 務所であれば、マスコミは"気兼ねなく"スキャン ダルを書き立てることができる。タレントは、そ の魅力や実力でのし上がるしかないシステムだ。 大手とはいえない事務所で地道に活動し、身から 出たサビとはいえスキャンダルを報じられ放題 だった小栗にとっては、この理不尽な状況に悔し さもあるのかもしれない。

しかし、小栗は何もスキャンダル報道の不公平 感のことだけを問題にしているわけではないはず だ。というのも、小栗ほどの人気があれば、大手 に移籍することなど充分に可能だからだ。さら に、ミス・インターナショナル世界大会で日本人初 の優勝に輝いた吉松育美氏が大手芸能事務所の幹 部からストーカー被害と脅迫を受けたことを訴え たような事例も起こってしまうのが、日本の芸能 界である。実際にその世界に身を置く小栗にして みれば"殺されかねない"と自覚するほど、事務所 の枠をこえて俳優が主体となる労組をつくること など、大手芸能事務所は許さないのだろう。

それでも、小栗はまだ意欲を失っていない。鈴 木によれば、「今この人ね、借金までして稽古場 を建てているんですよ」と言う。

「「俳優が自分たちを向上させていけるような場 を作りたい」って言って、口だけじゃなく、実際 に作ってるんですよ。自分だけでなく、役者みん なで向上していこうよというこのストイックさ は、この若さではいままで誰も実行してこなかっ たと思いますし、ちょっとやっぱりおかしいです よね(笑)」(鈴木)

この稽古場をつくる理由を、小栗はこう話す。

「アメリカなんかは、メジャー作品にこの前まで 無名だった俳優が、ある日突然主役に抜擢される ことがあるのに、日本ではそういうことはほとん どないという現状がある。それを起こすために は、大前提としてスキルを持っていないとできな いので、その力をみんなでつける場所を作りたい ということですね」

自分たちの若い世代の俳優が、旧態依然とした 芸能界を変えたい。──"合コンの持ち帰り王"とし ての軟派な顔だけでなく、じつは熱い思いをもっ た小栗旬。小栗のこの果敢な挑戦が潰されること がないよう、応援したいものだ。
livedoor参照

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