レシピやメイクなどの分野で時間の短縮を謳うサービスや商品が定着する中、時短は新たな展開を迎えているという。ヒット商品が生まれる仕組みを研究し、新商品をプロデュースしているという博報堂の中川悠氏は「男女雇用機会均等法施行後の1990年代に最初の山が来て、2010年代にスマホによって2度目の山が来た。みんなどんどん忙しくなって時短が生まれていったのではないか」と推測する。
 23日放送のAbemaTV『 AbemaPrime 』では、そんな「時短」の最新トレンド、また、上手に時間を使うことで、2億円もの資産を築いた人を取材した。
■若者はラブホテルも「時短」?
 都内のラブホテルの時短活用が増えているという。その実態を取材した『週刊SPA!』編集部の林泰人氏は「入って20分とか30分で出て来るお客さんが増えていると。特徴的なのは、夕方の時間帯に入ってすぐ出ていく方が多い。清掃の方に伺うと、シャワールームやタオルを使用、行為した形跡もある」と話す。20~30代の働くカップルが、勤務終了後、手短に行為を済ませてシャワーでリフレッシュし、そのまま食事や買い物に行く拠点として、ラブホを活用しているようだ。
 また、渋谷のラブホ街で「女性のみのご利用大歓迎!」という貼り紙を発見した。従業員によると、シャワーを浴びて化粧を直し、すぐに帰る女性1人の利用者がいるからだという。
 時短サービスはそれだけではない。
 スマホアプリ「TOGO」は、位置情報を元に最も近いカフェを探し出してくれる。あとは注文し、登録したクレジットカードで決済するだけ。お店に行けば、待たずにコーヒーを受け取ることができる。同じくアプリ「SHACA SHACA‼︎」は、スマホを振ると2秒ほどで半径300m以内にあるランチのお店を選んでくれる。開発者の稲沼竣氏は、「調べるとか抜きでランダムに1つ表示してくれる。それが一番の時短だと思う」と話す。
 また、「空いた時間を有効活用できる」と女性を中心に話題となっているのが「MEZON」というサービスだ。都内と神奈川にある約100店の美容室と提携、好きな時間にシャンプーとブローのサービスを受けることができる。利用者は「外出先や隙間時間に通えるので本当に便利。かなりお得で時短になる」と好評価だ。そして銀座のとあるフィットネスクラブでは、中に電極パッドが20個も付いた黒いボディースーツを用いることで、80分のマラソンに相当するカロリーをたった20分で消費できるということで人気を呼んでいる。全身の筋肉に電気的な負荷を与えながらトレーニングすることで、効率的な時短フィットネスができるというわけだ。
■買い物の頻度を減らし、永久脱毛で生まれた時間を投資に
 一方、自身の工夫で時間節約術を極め、資産2億円を築いた人もいる。高校卒業後に海上自衛隊に入隊、一昨年まで勤務していた生方正さんだ。
 億万長者とは思えない簡素な1ルームのアパートで独身生活を送っている生方さん。玄関で目についたのは、所狭しと掛けられた衣類や鍵だ。「家の鍵、バイクの鍵、手袋、置く場所をきっちり決めている。部屋に帰って来たところで次の行動がとりやすくなる」。さらにトイレの中には大量のトイレットペーパーと飲料水、そして、カセットコンロのボンベが。「安い時にまとめ買いをすると金銭的にも得だ。余裕がある時に買っておくだけで、時間の使い方の選択肢が増える」。ちなみにガスは、固定費を減らすためカセットコンロを使っているのだそう。スーパーまでの往復のおよそ12分なので、月に1回のペースで買い物をするだけで年間144分。これを半年に1度のまとめ買いにすれば、120分の節約になるということだ。
 手数料と時間の無駄をなくすため、銀行のATM利用は半年に1回、まとまったお金を下ろして金庫に保管する。また、「なるべくカードで払えるものはカードで払い、マイルやポイントを貯める」。
 日々のひげ剃りの時間を短縮するため、永久脱毛も行った。これだけでも年間の節約時間は約482時間、20日分になる計算だという。テレビ番組は録画し、2倍速で視聴。入浴は「体を洗って頭を洗って、泡だらけになった状態で流す」。外出の時も、普通の人ならおよそ10分で歩く800mの道のりを早歩きで2分短縮。無駄な時間を省くため、待ち合わせも常に1分前に到着する。 
 規律厳しい暮らしで捻出した時間を投資に割き、結果、46歳で2億円以上の資産を築くことに成功。昨年はその経験を記した本を執筆、勉強会の講師も行っている。去年末からはインドネシアの別荘を拠点にアジア各地を旅行しており、現在はフィリピンのルソン島で語学留学中だという。