出逢い ~吾輩の読書との出逢い~: 背徳
「フロントドア」に「ボールだと思ってよけたら、球が真ん中近くにあった」
8年ぶりに広島復帰した黒田博樹投手が8日、本拠地での凱旋登板で衝撃のパーフェクト投球を見せた。ヤクルト戦でオープン戦に初登板し、4回1/3を無安打無失点3奪三振。打者13人をわずか39球で料理し、ボールは9球のみという完璧な投球だった。
昨年までヤンキースで先発ローテーションの柱として投げ続けてきたバリバリのメジャーリーガーの圧巻の投球を見せられて、ヤクルトの選手たちも衝撃を隠せなかった。
1番打者の藤井は、4回の第2打席で2球で追い込まれると、最後は内角のボールゾーンから変化してストライクになるツーシームで見逃し三振に倒れた。黒田がメジャーでも最も大きな武器として使い、強打者たちを抑え込んできた「フロントドア」と呼ばれるボールだ。
「ボールだと思ってよけて、(キャッチャー)ミットを見たら、球が真ん中近くにあった。初めて見ました。すごい軌道でした」
ユーティリティープレーヤーとして内野、外野、捕手を務める藤井は、この1球をこう振り返っている。“捕手目線”でも、衝撃的なボールだったという。「左(打者)のインコースにシュート(ツーシーム)なんて考えたこともなかった。キャッチャーとしても使えるなと思いました。自分の引き出しが増えた。(フロントドアを)見られたことは本当に良かった」と話した。
もう1つの武器も効果的だった。黒田がメジャーで同じように決め球の1つとして絶大な威力を発揮したスプリットだ。2番打者の川端は、初回の第1打席では2球で追い込まれてからのスプリットを引っかけ、ショートゴロに倒れている。
「思ったよりもボールが重い。さすがメジャーで7年やってきたことはある」
「無駄な球が全くなかった。低めへのスプリットが真っすぐに見えて沈む感じがした。ちょっと落ちるので、内野ゴロにされてしまう。あの球に気をつけないと」
絶妙に制球された沈むボールの印象について、こう川端は語っている。
ただ、研究熱心で向上心を失わない黒田は、開幕までにさらなる進化を遂げる可能性がある。本人は、日本の柔らかいマウンドに変わったことを気にしており、登板後には「またもう少しフォームも変えてやっていかないと。次に向けてもう少しいいボールを増やしていきたい」と話している。
広島とヤクルトは開幕3連戦(3月27~29日、マツダ)で激突する。黒田も先発することが予想されているが、川端は「今日と開幕ではまた違うと思う。もっとすごい球を投げてくるはず」と警戒を強めた。
あまりにも完璧な投球は、完全に“想像以上”の内容だったようだ。キャンプから黒田を視察していたヤクルトの衣川スコアラーは「外国人投手よりもレベルが高い選手。昔のイメージに近いくらいの力強い球を投げ込んでいた」と話す。米国でツーシーム主体の投球スタイルに変化し、年齢も40歳となったが、剛球を投げ込んでいた8年前とボールの力は変わらないと見えたようだ。杉村打撃コーチも「思ったよりもボールが重い。さすがメジャーで7年やってきたことはある」と印象を明かした。
パーフェクト投球の衝撃は大きい。開幕へ向けて、ヤクルトだけでなく全球団が攻略を目指し、さらに研究を進めていくはずだ。それでも、経験豊富な右腕は“黒田包囲網”をかいくぐってしまうのだろうか。
ライブドア参照
今年の黒田は注目だ!
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