自らペットボトルで地面に水をまき、水面に映るイルミネーションを撮影する来場者ら=3日夜、神戸市中央区(読者提供)
 阪神大震災の犠牲者を追悼し記憶を伝えるため、神戸市中央区で16日まで開催している光の祭典「神戸ルミナリエ」の会場で、来場者が地面に水をまき散らす迷惑行為をしていたことが12日、分かった。
 十数人が電飾が水面に反射する様子をカメラで撮影していたという。主催する神戸ルミナリエ組織委員会は「犠牲者を鎮魂するのが祭典の趣旨。節度を持ってほしい」と呼びかけている。
 組織委員会事務局や現場にいた市民によると、迷惑行為があったのは開幕(7日)を前に試験点灯が行われた3日夜。長さ120メートルの大型作品などが点灯する東遊園地で、一部来場者が持参したペットボトルの水を地面にまき散らし、一帯に水たまりをつくった。さらに、カメラを持った十数人が水たまりを囲み、一斉にシャッターを切ったという。
 現場にいた市民が迷惑行為の状況をツイッターにアップすると、「やりすぎ」「震災当事者としては気持ちを踏みにじられる思い」などの批判が殺到。現場を警備する兵庫県警生田署も迷惑行為を問題視し、注意を呼びかけている。
 震災で両親を失い、現在は全国で震災の出前講座などを行うNPO法人「ふたば」事務長、山住勝利さん(51)は「ルミナリエには震災で傷ついた人たちが多く訪れる。被災者の気持ちを逆なでしているようで残念だ」と声を落とした。