テレビ売り場に並ぶ専用チューナー(東京都新宿区のビックカメラ新宿西口店で)
 超高精細な映像を楽しめる「新4K8K衛星放送」が1日から始まる。
 電機メーカーにとってはテレビの買い替え需要をつかむ好機のはずだが、2012年の地上デジタル放送への完全移行時とは異なり、「新4K8K」商戦は、静かな滑り出しだ。消費者への浸透を待って、新製品の販売を来年以降に先送りしたメーカーも出ている。
 「おととし対応テレビを買ったのに、4K放送が見られないと聞いて来たよ」。放送開始を直前に控えた11月下旬、東京都内の家電量販店を訪れた男性(85)は、困惑した様子で販売員の説明を受けていた。
 4K対応テレビは11年ごろから販売されているが、視聴するには別途、専用チューナーが必要だ。売り場には、電機各社が今年に入り相次ぎ投入した3万円台が中心の外付けチューナーが並ぶものの、家電量販店からは、「売れ行きは想定を下回っている」との声が漏れる。