竹野内豊と倉科カナ(C)日刊ゲンダイ
コラム【芸能界仕事術】
 竹野内豊(47)といえば、中年女性を中心に幅広い世代に絶大な人気を誇る俳優。“最後の大物独身俳優”とも表現されるが、それも納得できる感じがある。
 そんな竹野内が5年間、交際を続けていた女優の倉科カナ(30)と破局したということが大きく報じられた。
 この話題、僕たち芸能マスコミにかかわってきた者にとっては、たいへん大きなニュースという感覚をおぼえたものだ。
 それには理由がある。昔から竹野内がモテ男であることは知られていて、数多くの恋愛話が週刊誌で取り上げられた。お相手としては、女優はもちろん、外国人モデルとの同棲まで伝えられる派手さだった。ただ、竹野内はそういう話題がいくら持ち上がっても、コメントすることはなかった。事務所も「プライベートは本人に任せている」というスタンスだった。
 ところが、倉科との熱愛が報じられると、竹野内はいち早く、「良いお付き合いを」と交際を認めたのだ。芸能マスコミも今回は本気モードだと受け止めた。だからこそ、それから数年、「今年こそ結婚するカップル」として予想され続けたのだ。
 だが今回、竹野内の事務所が「数カ月前に別れたと聞いている」とコメントした。恋愛については一度ちゃんと認めたのだから、間違いのない結果を伝えておこうとなったのだろう。
 男女の仲だけにさまざまな理由があっただろうが、竹野内は以前と変わることなく、俳優として忙しく活躍している。一方の倉科の方も、交際発覚の頃から仕事が充実していって、すれ違いが生じるほど映画、連ドラ、舞台とスケジュールがいっぱいだ。周囲も今は仕事に専念して欲しいというスタンスでいると思われる。彼女自身、このところ、“ひとり焼き肉”に行っているなど、別れたことをにおわせていた。
 仕事面に限って言えば、今回の破局、ふたりにとってそれぞれプラスであろうと思われる。女性ファンの多い男性タレントは結婚となると、ファンの数は減ってしまうのが普通だ。古くは山本譲二に聞いた話、女性中心のファンクラブの人数が、結婚すると4分の1になったという。野口五郎もアイドル的人気の時、恋愛の話が出ただけでファンが半減した。この傾向は今も変わらない。さすがに大丈夫じゃないかと思われた福山雅治でさえ、ショックを受けたファンが続出したものだ。
 竹野内は最後の大物独身を守ってくれたので、ファンはひと安心だろう。倉科は女優としてのこれからが大きく期待されているのだから、ひとり焼き肉をやってでも仕事に集中し、これから恋多き女優と言われる存在になれば、より大きく飛躍できるというものだ。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)