冷凍食品に農薬を混入させたとして、従業員の男が逮捕された事件で、会社の待遇面での不満が、犯行の動機として浮上する一方、工場内でのずさんな実態が、徐々に明らかになってきた。
27日午前11時40分、群馬県の太田警察署を出た阿部利樹容疑者(49)は、上下グレーのスエット姿で、伏せ目がちに歩いていた。
アクリフーズの群馬工場で、冷凍食品に農薬のマラチオンを混入させた偽計業務妨害の疑いで逮捕され、27日、身柄が検察に送られた。
阿部容疑者は、休日になると、人気漫画のキャラクターに扮(ふん)して、改造した大型バイクに乗るなど、地元では有名だったという。
阿部容疑者の地元の人は「ゲーセンによくいるよね。
この辺の人は、ほとんど知ってる」と話した。
阿部容疑者は、農薬をいつ、どのようにして混入させたのか。
工場の製造ライン1階で、「クラスト」と呼ばれるピザ生地の製造を担当していた阿部容疑者。
製造ラインで作られたそれぞれの商品は、急速凍結庫を通り、包装室へと流れていく。
これまでの調べで、商品のパッケージに穴などが開けられた形跡はなく、農薬が混入されたのは、商品が包装される前の可能性が高いとみられている。
今回、農薬の混入が見つかったのは、ピザやコロッケなど8品目。
阿部容疑者が担当しているピザ以外の商品に、農薬を混入させることは可能だったのか。
阿部容疑者を知る工場関係者は「昼休みとか、ご飯休憩のときですね。結構、つまみ食いとか、不特定多数の人が来ます。
セキュリティーなんて、もう、すごく甘い、甘い」と話した。
工場内の移動に関して制限などはなく、ほかの商品の製造ラインでのつまみ食いなどが日常的に行われ、阿部容疑者もその1人だったという。
さらに、全ての商品が流れてくる包装室も、製造ラインからの出入りが可能だった。
2年前、契約社員の賃金体系の見直しを行ったアクリフーズ。
これに対して、阿部容疑者は「いきなり、ボーナスが減った」などと、不満を口にしていたという。
また事件後、警察が同席した会社の聞き取り調査でも、待遇面について、不満を訴えていたことが、新たにわかった。
阿部容疑者を知る工場関係者は「(ボーナスが)半分とか3分の1になったら、やっぱり現場の人間も、不平不満は言いますよ。
『やってらんねえよ』、それ(阿部容疑者の)口癖」と話した。
阿部容疑者は「覚えていない」と、容疑を否認している。
ニチロもアクリフーズも今年は大打撃だな~
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