懸念される球速の低下
左太もも裏の張りにより故障者リスト入りで開幕を迎えた上原。開幕から遅れて1週間ほどたった、4月14日にナショナルズ戦で2015年シーズンをスタートさせた。いきなり僅差の場面で、相手の主軸をきっちり押さえて周囲を安心させる自身の開幕となった。
安心するのも早ければ、不安になるのもメディアは早かった。4月25日のオリオールズ戦で1点リードした場面での登板では同点に追いつかれ、サヨナラホームランを許した。そこから一気に球速の低下を周囲が懸念しはじめたのだ。この日の直球は平均86マイルに留まっており、通常の88~90マイルより遅かったことが指摘された。
しかし、その球速低下については、太もも裏の張りの影響でキャンプで思う通りの調整ができず、その分仕上がりが遅れたのではないかとファレル監督も推測している。
‘You can’t replace game action, game intensity. He was unable to get more than three appearances in spring training. I don’t want to make excuses but he’s certainly benefiting by time on the mound in game action and reaching his game speed and intensity more frequently.’
「実際の試合で体感するスピード、ゲーム感覚に変わるものはない。キャンプ中には3登板程度に留まってしまった。言い訳はしたくないが、彼は実際にゲームに入り、マウンドでスピードとゲーム感覚をより体感することがプラスとなっている」とファレル監督は話す。
状態が上がらなくても、切り抜く術を考える
チームメイトであり、同じリリーフ投手のクレイグ・ブレズローも2年間(2013年、2014年シーズン)、開幕DLを余儀なくされている。レギュラーシーズンに入ってもなお、1人だけ遅れて調整を続けていく難しさを語った。
‘It’s a grind. Certainly you know that you don’t have the life or the velocity or action on your pitches. I found myself falling into some bad habits trying to generate velocity that wasn’t there yet. Obviously command became a whole lot more important ?changing speeds, keeping guys off balance. You just try to figure out a way to get through.”
「泥臭い戦いだ。自分でも思い通りのキレ、速さ、変化がないことがわかって投げないといけない。まだ体が仕上がっていないのに、無理矢理スピードを出そうと悪循環に陥ってしまった。後にわかるのだが、制球力がより重要になり、緩急をつけ相手のバランスをどう崩すか。切り抜く術を考えていかなくてはならない」
2013年、ブレズローは5月上旬に復帰を果たしたが、通常よりも2マイル遅い球速だった。(シーズンオフ一定期間休んだ後の)10月、11月に体が仕上がっていない状態でメジャーの試合で投げるようなものだと語った。2014年にはシーズンオフ、そしてキャンプも思うような練習ができず、苦しいシーズンとなった。シーズン中に厳しい日程を乗り越えるための土台作りがオフにできていないと、常に追いかける状態でシーズンを過ごすことになるとブレズローは言う。
少しでも感覚がズレてしまうと結果が出なくなる。それほどタフな世界なのである。年齢、球速の低下など一度崩れると、いろいろな理由を周囲は持ち出してくる。だがそれはメジャーリーグでも認められた証であり、伝統あるボストン・レッドソックスの守護神を務める者の宿命なのかもしれない。
参照
引退が近い??
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レッドソックスの不動のクローザーとして活躍する著者。2013年シーズンは、見事ワールドチャンピオンとなり、胴上げ投手にもなった。39歳となった今シーズンも、活躍を続けている。本書では、著者が年齢を重ねながら進化し続ける理由を明らかにする。
著者は「不安やプレッシャーは悪いものではない」という。「不安があるからこそ、準備を怠りなくと思うことができる。不安に押し潰されるのではなく、不安こそが自分を動かすエネルギーとなりえるのだ」と断言する。
著者の毎日は、マッサージなどの身体のケアを他のどの選手よりも入念に行い、ストイックな生活をおくる日々だ。それは「ケアを怠ることで怪我をするなどして、後悔したくない」という一心だ。そしてその先にあるのは、マウンドに上るまでの覚悟だ。
著者は、毎日小さな目標を立てて球場に向かう。
雑草魂を糧にいかに壁に挑み克服してきたかを明らかにする。運命を切り拓きたい人は必読の一冊。
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