社会現象になった『U.S.A.』のブームで、16年ぶりの『紅白』出場を果たす「DA PUMP」。じつは、リーダーのISSA以外のメンバーは、16年前とは変わっている。グループを離れ、新しい道を歩むかつてのメンバーKEN(38)に会いに行った。
 DA PUMPのダンスの支柱的存在で、ラップでも存在感を示していたKENの軸は、今もブラックミュージックとストリートダンス。
「現在は、プレイヤーとしての音楽活動と裏方仕事が中心。週1回のダンススクールレッスンや、アーティストの振付、ワークショップ講師、専門学校のダンスアドバイザーなど、活動の枠は変わっていません」
 m.c.A・T(57)や大黒摩季(48)ら第一線のプロから、ダンサーの卵まで、KENの仕事の守備範囲は広大だ。
「僕の思いは当時から一貫していて、音楽業界を盛り上げたい、楽しくしたいということ。特に今は、僕が大事にしている『衝撃』と『共感』というアーティストの使命を、若い人に伝えたい。
 ただダンスを習うなら、技術のうまい人はごまんといますが、僕にしか教えられないことがある。ダンスを通じて、カルチャーや精神論までを伝えたいんです」
 ISSAこそ、その体現者だった。
「彼ほどの天才は見たことがない。僕はISSAを負かしたくて仕方がなかったんです。でも彼は天才肌ながら、陰の努力家で負けず嫌い(笑)。
 切磋琢磨した仲だから、3人のメンバーのことは『いちどぅし』(沖縄方言で親友)と感じます」
 天才と対峙するのが今の夢だ。
「自分や自分の教え子たちが、DA PUMPとバトルして、日本音楽界の活性化に繫がればいい。勝敗はお客さんに決めてもらいましょう(笑)」
けん
1997~2009年、DA PUMPとして活動。2011年からダンススクール「KEN’S DANCE STYLE」を主宰。次なる目標として、琉球史をはじめ、地方史をダンス活劇で表現する舞台のプロデュースを構想中
(週刊FLASH 2018年12月4日号)