2015年7月29日水曜日

燃料満タン+5人=アウト 小型機操縦者ら指摘「ベテランなら常識」

出逢い ~吾輩の読書との出逢い~: 悪鬼のウイルス



 東京都調布市の住宅街に小型プロペラ機が墜落し8人が死傷した事故で、小型機は予定していた伊豆大島までの片道分の5倍に当たる大量の燃料を積載していたことが28日、分かった。燃料だけで300キロに近く、さらに男性5人が乗り、総重量は離陸可能な限界ぎりぎりだったとみられる。

 小型機を操縦するパイロットたちは「あの機種は満タンで5人乗ったらアウト」と指摘する。事故を起こしたPA46―350P型と同じ、米パイパー・エアクラフト社製の別の小型機を操縦したことがある航空科学博物館の山川秀宏事務局次長は、高温による気温の高い夏場はエンジンの性能が下がるとした上で「燃料は満タンで、乗員も満席に近く、さらに荷物も満載だと、離陸にはかなり厳しい状況だったはずだ」と推測する。

 事故機の操縦経験があるというベテランのパイロット(57)も「この機種を燃料満タンにして5人も乗ったら、重くてアウトだ。ベテランなら常識だが…」と首をかしげ、「車なら5人乗りに5人乗っても大丈夫だが、飛行機はもの凄く条件が厳しい。この機種は、冬でも十分に高度を上げるのが難しいことがあるほどだ」と話した。

 国交省などによると、事故機の機体は約1200キロで、理論上の離陸可能な最大重量は約1950キロ。片道約1時間のフライトで、死亡した川村泰史機長(36)は飛行計画書に5時間分の燃料を積載と記載。PA46の燃費性能で計算すると、最大約280キロの燃料を積載していたことになる。男性1人が70キロの場合、5人で350キロで、荷物を加えると限界の重量まで100キロを切っていた可能性が高い。

 また、調布飛行場では滑走路を南に離陸した場合、中央自動車道まで直進し、十分な高度に達してから左右どちらかに旋回するルールになっているが、小型機は低空飛行のまま、すぐに左に旋回していたことも判明。捜査本部は、点検状況などを分析するとともに、負傷者からも回復を待って事情を聴くなどして墜落原因を詳しく調べる。

スポニチアネックス参照



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