2020年5月10日日曜日

乃木坂46・白石麻衣さん卒業公演の無期延期が1000万人を救うカラクリ

乃木坂46・白石麻衣さん卒業公演の無期延期が1000万人を救うカラクリ

白石麻衣

遅刻も弱音もカンシャクもなし

 乃木坂46の白石麻衣さんの卒業延期が発表されました。新型コロナウイルスの影響がなければ、5月5、6、7日の東京ドーム公演で卒業予定だったそうです。
 乃木坂46の人気はご承知の通りだとは思いますが、改めて驚かされたのは、白石麻衣さんの卒業コンサートが3日間に亘って開催されるはずだったこと。過去に3日に亘って卒業もしくは引退公演を行った人はいたでしょうか?
しかもコンサート仕様だと5万人は収容できる東京ドームで! 単純計算でも15万人の人が見送る形のビッグイベントということになります。本題に入る前に、コンサートを始めとするイベントに携わる方々の話をしたいと思います。
白石麻衣
 私の知人にもイベント業者がおりまして、彼らは異口同音にとにかく見通しが立たない、会社を一時的に畳むかもしれないと嘆いております。彼らの仕事はイベントが開催されて初めて収入が発生するシステムなので、イベントそのものが中止や延期になってしまうと、全く実入りがない状態になってしまうのです。
 そして緊急事態宣言が解除されたとしても、オーバーシュートの危険性をはらんだ大きなイベントは、さらにしばらくの自粛を求められる可能性が高いそうです。年内は難しいという意見も出ているとのことでした。一体、どのタイミングでどのような形で収束を迎えることができるのでしょうか? 国の判断が待たれるところであります。
 戻りまして乃木坂46、そして白石麻衣さんについてのお話です。ファンとして、最初にお伝えしておきたいのは、彼女たちは今まで決して平坦な道を歩んできたわけではないということです。AKB48の公式ライバルとしてデビューしましたが、初めのうちは世間に届かないどころか「AKBの紛い物」のような扱いもされていました。
 もどかしさや苦悩を抱えていた彼女たちは、シングルデビューからおよそ1年後「君の名は希望」という楽曲に出合い、オリジナリティ確立への第一歩を歩み始めました(少々私見が入ります)。もっとも絶対的な認知度や爆発的な人気を決定付けた「インフルエンサー」を歌うまでには、さらに4年の月日を要することになります。
 楽曲との出合いが彼女たちを向上させ進化させたのは間違いありません。グループ誕生後、アイドルとしての活動ではない雑誌モデルやファッションショー、バラエティ番組、そして映画やドラマに出演し、終始一貫して乃木坂46の知名度を上げようと突っ走ってきたのが白石麻衣さんでした。
 もちろん他のメンバーもそういった活動をしていましたが、乃木坂46のアイコンとして八面六臂の活躍をしたのは白石麻衣さんを置いて他にないでしょう。10代後半に芸能界入りして仕事に翻弄されると、愚痴を言ったり、周りに辛く当たったり、弱音を吐いたりするのも仕方ない面があります。しかし、彼女に関してはそういったところがまったくないと、関係者や元在籍メンバーからも聞きました。
 そして、前日深夜まで仕事が延びたとしても翌朝の集合に遅刻したことは一度もないそうです。
《白石さんがあそこまで頑張っているんだから、自分もしっかりしなくちゃ》
 そう口にはしないまでも、メンバーたちは、彼女のその仕事に対する姿勢を目の当たりにして、背筋を伸ばしたそうです。

“破壊力”や“浸透力”

 そんな白石麻衣さんの卒業公演の延期が発表されたのが4月28日のことでした。緊急事態宣言下で、延べ15万人を動員するイベントなど開催できるわけがありません。乃木坂46のコンサートに限ったことではありませんが、ある意味で、新型コロナウイルスは日常のみならず非日常の楽しみも奪ったと言えるのかもしれません。
 ただ、「皆さんには直接、今までの感謝の気持ちを伝えたいなと思っております。卒業ライブはみなさんが安全に楽しんでいただける状況ができたら、改めて行いたいと思っているので、会場と時期が決まりましたらお伝えしたいと思います」という白石さん自身のこの言葉に「中止ではなく延期ということは、まいやん(白石さんの愛称)を送り出すことができるんだ」と、胸を躍らせた方も多いと思います。
 さらに白石さんは、「毎日大変かと思いますが、ここを一緒に乗り越えて頑張りましょうね!」と続けました。そこで一考です。このコンサートに参加する約15万人の方、コンサートチケットを求めて応募する方々(15万人の50倍、いや60倍とすると900万人)、パブリックビューイングにて各映画館でご覧になる方々(30館×500人=1.5万人が限界ですが、それも抽選なので50倍はあり得ます。したがって、75万人)、これらを合わせると1000万人に手が届きそうです。
 彼らは来るべきその日に備え、国の言いつけをしっかりと守り、健康に留意した日常を送ることは間違いないでしょう。
 安倍首相や各都道府県知事の言葉ももちろんしっかりと受け止めたいところですが、その影響力は強くないのが現実です。小池都知事がヒカキンさんとコラボしたのも、安倍首相が星野源さんに勝手にあやかろうとし(てスベっ)たのも、自身の限界とコラボ相手の“破壊力”や“浸透力”を十分に知っていたからでしょう。
 白石さんの言葉を聞くにつけ、この時期、影響力のある方が自粛要請に伴った言葉を投げかけることが、収束への近道だと思えてならないような気がしました。
徳光正行
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。司会、タレント業。主な著書に『伝説になった男~三沢光晴という人~』『怪談手帖シリーズ』など。4月27日には岩井志麻子氏との共著『凶鳴怪談』が出版された。
週刊新潮WEB取材班
2020年5月7日 掲載


乃木坂46松村沙友理、白石麻衣の2014年の“ある発言”振り返り「予言者だなって」






乃木坂46松村沙友理、白石麻衣の2014年の“ある発言”振り返り「予言者だなって」
3月26日放送の日本テレビ系『ZIP!』に、乃木坂46・松村沙友理、白石麻衣らがVTR出演した。
VTRでは、3月25日発売のシングル「しあわせの保護色」での活動をもって、白石が乃木坂46を卒業することから、2011年からの9年間、250回以上行われた白石への取材の名場面を集めた映像が紹介された。
この中で、2014年の『ZIP!春フェス』に出演した際、白石が「2年後でも3年後でもいつでもいいんですけど、東京ドームでライブができたらいいなと思って」と語っていたこと、そして、その3年後の2017年、宣言通りに乃木坂46が東京ドームでライブを開催したことが取り上げられる場面があった。
これに対し、松村は「すごいなって思いました」「年数もぴったり3年後にやってるから」「予言者だなって思って」とコメントし、驚きを覗かせていた。

『俺スカ』白石麻衣 “黒一色”と“下ネタ”で挑む本当の意味









女優としての飛躍が期待される白石麻衣
 古田新太主演で話題を集めるドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)。この作品で、古田とはまた違った存在感を示しているのが乃木坂46白石麻衣だ。女優として飛躍する大きなチャンスを迎えているという白石について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
 * * *
 元号をまたいだ今月上旬に、白石麻衣さんのセカンド写真集『パスポート』が25度目の重版を行い、累計36万部となったことが明らかになりました。2017年2月の発売から2年3か月過ぎての増刷は前代未聞であり、性別年代を問わない人気ぶりがうかがえます。
 これだけ人気がある以上、芸能活動が多様化し、なかでも女優としてのニーズが高まるのは必然。世間の人々と制作サイドの期待を受けて、今春は『俺のスカート、どこ行った?』に出演しています。
 ただ意外なのは、今作が民放プライム帯の連ドラ初レギュラーであること。これまでは深夜帯やゲスト出演が多かっただけに、今年8月で27歳となるタレントとしては、「今作が今後の試金石になるだろう」と言われているのです。
◆いい意味で浮く圧倒的なビジュアル差
『俺のスカート、どこ行った?』は、ゲイで女装家の主人公・原田のぶお(古田新太)が高校教師となって、型破りな方法で生徒たちの問題に向き合っていく学園ドラマ。白石さんが演じる里見萌は、「憧れていた教師になったものの、教育現場を目の当たりにして、完全に心がやさぐれてしまった反抗期全開教師」という主人公に負けない個性的な役柄でした。
 里見は、まだ教師2年目の立場であるにも関わらず、学校に遅刻し、集会で居眠りし、保健室で昼寝するなど、やる気のなさが際立っていますが、注目すべきは心の闇を感じさせる黒一色の服装。教師たちの中で異質な存在となっているほか、職員室では向かいの席で座り、朝礼では隣に立つなど、カラフルな服を好む原田とのコントラストになっています。
 そもそも白石さんには、非イケメン中年の古田さんが主演である分、「美しさ」「愛でる」という役割がありますが、大倉孝二さん、荒川良々さん、小市慢太郎さん、シソンヌじろうさんら教師役の俳優が並ぶと、そのビジュアル差は歴然。見る人の多いドラマでは「演技力以上に重要」と言われる視覚的な存在感が大きく、「いい意味で浮いている」「確信犯的に違和感を醸し出す」ことができます。
 もう1つ、里見のキャラクターを際立たせているのは、毎週のように発せられる下ネタ。原田の歓迎会で「ポコチンはどうしてるんですか?」「デカチンか~」と発したあとも、「ファイティンポ(ファイトの造語)」「きん(たま袋と言おうとしたところを遮られて未遂に終わる)」などのフレーズを繰り返しているのです。
 もちろんこれは脚本・演出によるものですが、白石さんサイドがOKを出さなければ実現しないもの。白石さん本人が「言いにくさはない」とコメントしていることから、むしろ歓迎している感すらあり、今後も見られるのではないでしょうか。
◆美しさを武器にしたコメディエンヌへ
 制作サイドが、清楚で美しい白石さんに下ネタを話させることでインパクトや話題性を狙っているのは明らかですが、白石さんとしても演じられる役の幅を見せる絶好機。各局の作り手たちに、「私はここまでやれるんですよ」「遠慮なくオファーをください」と言っているようでもあるのです。
 思えば白石さんは、昨年放送の『やれたかも委員会』(MBS制作、TBS系)でも下ネタを連発していましたが、当時は「深夜ドラマだから」というエクスキューズがありました。しかし、多くの人々が見るプライムタイムで思い切った役を演じたことで、今後は制作サイドが「この役は受けてもらえないだろう」とオファーを自粛するケースは減るはずです。
 白石さんは、すでにさまざまな職業を演じても違和感のないアラサーだけに、今回の教師からOL、ミュージシャン、料理人、エステティシャン、連ドラ定番の刑事、医師、弁護士、あるいは時代劇の姫まで、さまざまな役柄への対応が可能。「清楚」「美しさ」のイメージに縛られることなく、あらゆる役を演じられれば、女優として一気に羽ばたけるでしょう。
 王道の可憐なヒロイン以上に期待されているのは、コメディでの活躍。近年ドラマ業界では、「シリアスな作品は見てもらえない」「特に平日の夜は重いムードの作品は厳しい」という傾向が強く、コメディの割合が増えています。
 その点、白石さんにとってのコメディは「清楚」「美しさ」からのギャップを見せるチャンス。もともとバラエティーでは「黒石さん」という毒気たっぷりのキャラも見せるなど、笑いのセンスにも定評があったことが、里見の人物設定につながっているだけに、コメディエンヌとしての才能が開花するかもしれません。
「圧倒的な美しさを武器にしたコメディエンヌ」で思い浮かぶのは北川景子さん。たとえば、今年3月まで放送していた『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)のヒロイン・三軒家万智を白石さんが演じたら……と思い浮かべたら意外にしっくりくるのではないでしょうか。「異性はもちろん、同性からも愛され、憧れられる」という点も含めて、白石さんが北川さんと同じ主演女優へのステップを駆け上がっていっても不思議ではないのです。
◆「黒一色」の服装が「赤一色」に変わるか
 25日放送の第6話は、白石さんが演じる里見をフィーチャー。予告映像には、デスクの引き出しに入った退職届が映され、「結婚!? 仕事!?」というテロップと、「原田先生みたいに周りを変える力、なかったです……」というセリフがありました。
 タイトルバック(ホームページのトップ画面も同様)の里見は、赤のワンピースを着ているだけに、もしかしたら黒一色からの変化が見られるのかもしれません。いずれにしても、葛藤を表現する演技力が求められるだけに、白石さんにとってはチャンスであるとともに正念場。称賛か、酷評か、いずれにしてもSNSは盛り上がるでしょう。
 日本テレビで土曜夜に放送されていた女性教師の学園ドラマと言えば、仲間由紀恵さんの『ごくせん』や天海祐希さんの『女王の教室』がありました。写真集やCMでの人気を踏まえると、近い将来、白石さんが主人公の教師を演じる学園ドラマが放送される可能性は十分ありそうです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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